不思議な話(二ーマンのピク詰め)復刻版H

      ー実際に体験した不思議な出来事の記録ですー

368 「共感覚」

音に色を感じたり、香りに音を感じたり、ある刺激に対して本来の感覚とは別の感覚が機能することを共感覚と言うらしいのですが、自分もそれを感じることはありますが感じているだけで共感覚者のように見えたり聞こえたりはしていないようです。ところが一度…

367 「知ったかぶり」

自分としては出来る限り等身大の自分を正直に表現することに努めているつもりなのですが残念ながら人間が出来ていないのでこの年になってもまだ見栄を張ったり知ったかぶりをしたりすることは未だにある訳で、もしかすると逆に年を重ねる程にそういった傾向…

365 「タンチョウヅル」

それが思い込みだったとわかった瞬間にそれまで思い描いていた印象が一変してしまう事があります。私は今まで丹頂鶴の額の赤い色は羽の色だとばかり思っていたのですがそれがむき出しになった皮膚の色だと知ってショックを受けます。 それまでの丹頂鶴のイメ…

364 「マッチ」

最近ではマッチを見かけることが少なくなりましたが、当時は火をつける時はマッチを使うのが普通でした。私は10歳位までマッチはマッチ箱の横に付属している茶色の部分を使わなくてもスリガラスで擦れば火はつくものだと思っていました。それはマッチでイ…

363 「非公式」

自分はどうも毛深いようです。と言っても胸毛などは生えていないのですが、手首から先とか足首から先と言った洋服やズボンから露出した部分だけが毛深いのです。ですから首から上も毛深いわけですが、特に鼻毛の長さには自分でも驚いています。2センチ前後…

362 「鏡」

勘違いや見間違いをしてその間違いに気づいているにもかかわらずその正解が見つからないでいる時の時空が微妙に歪んだ感じは大好きなのですが、どう考えてもそれが錯覚や幻覚ではない場合はさすがにショックを受けます。30代の頃に単身赴任の形で、ほぼ7…

361 「カマイタチ」

人と話をしている時に全く意識をしていないのに突然確信に触れてしまう事がありますが、そんな時は相手よりも自分の方がビックリしてしまいます。ある時あのKさんと食事中に『カマイタチ』の話になります。Kさんは小さな竜巻が真空状態を作りそれが皮膚を…

360 「虹」

実は今年の2月まで『虹』は外側が赤色なのだと思っていました。若い頃に誰かが内側が赤色の虹もあるのだと言うのを頭から否定した覚えがあるのですが、その人に謝らなければなりません。その日、朝からどんよりしていた空に正午を過ぎたあたりから所々に晴…

359 「21000」

ある特定の色や臭いや音や感触の中に意味はわからないのに懐かしさや恐怖を感じる事がありますが、おそらくそれは遠い昔に体験した感情の記憶の断片で、それは時と共に忘れ去られた記憶だけでなく意識して忘れようとした記憶だったりするのかもしれません。…

358 「爆発」

不思議な事というのは大体意味がわからない事と相場が決まっていて、そのままでは不安なので大概そっち系の仕業にしてしまうのが落ちなのですが、それが仏壇の中で起こった出来事であったりするとそれはもうそういうことになるのは必至です。10年位前の話…

357 「直感」

『直感』と『直観』の違いを上手く説明できないのですが、自分の中では何となく区別しています。子供の頃、庭の石を移動するのを手伝わされるのですが大人がやっと抱えられるくらいの大きな石でしたので私は側で見ているだけでした。石は全部で3個だったの…

356 「押しボタン式」

押しボタン式の横断歩道では時々歩行者がいないのに信号が反応することがあります。確実に横断する人がいないのを確認できたとしても交通ルールは守らなければならないのですが、そんな信号で止まった時には信号が青に変わるまでの時間、何が原因でそのよう…

355 「ひとり遊び」

子供の頃、天気の良い日に野原に寝っ転がってボーっと青空を見ていると半透明のミミズのようなヒモのようなものが見えるのですが、すぐにそれは自分の眼球の中で起こっている現象だということは理解できました。それが眼球の表面で起こっている事なのか内部…

354 「懐かしい場所」

3~4歳の頃、良く母親の姉の家に連れて行かれていました。バスで30分程の距離にある閑静な住宅街で、週に3日位のペースで連れて行かれたように思います。母は昼間の数時間を姉とのおしゃべりで過ごすのが楽しみだったようです。その間は部屋の中にいて…

353 「山口」

あのKさんと車で山口県まで行った時の話です。高速の大分自動車道から九州自動車道に乗り、関門橋を渡り中国自動車道に入るのですが、大分を出発してからほとんど助手席で寝っぱなしのKさんが本州に入った途端に元気になります。なぜかインターチェンジに…

352 「水鏡」

子供の頃、近所に不思議なおばちゃんがいました。普段は普通のどこにでもいるおばちゃんなのですが、裏の小川で遭遇する時はチョット違っていたのです。しょっちゅう遭遇するわけではなく、友達と小川で遊んでいるといつの間にかそこに居たり、空き地で野球…

351 「エリザベスカラー」

ムーンちゃんが子犬を7匹産んだのは数年前のことです。4匹は里親に貰われて行ったのですが結局サンちゃんとナナちゃんとハチ君の3匹が残る事になり今でも家には母親のムーンちゃんを筆頭に4匹のワンがいます。その子犬達がまだ2ヶ月目位の時の話です。…

350 「エコバック」

高校を卒業したばかりの妹の娘がどこかで買い物をした折に景品でエコバックを貰ったらしいのですが黄色い色が気に入らないらしく母親(妹)にプレゼントします。 妹もそれほど気にいってはいないようでしたが娘からのプレゼントを無下に断る事も出来ず適当に…

349 「砂糖」

その小さな港で釣りをするのは3年ぶりでした。その港を敬遠するのはあまり釣れたためしがないのとテトラポットが多過ぎて夜釣りには向いていないからなのですが、その日その港を選んだのは釣り仲間から最近大型のスズキが上がったと聞いたからです。『く』…

348 「恐い絵」

誰かと話をしている時に今まで見た絵の中で一番恐いと思った絵はどの作品かと聞かれたことがあるのですが、今までに見た絵と言われても1万点や2万点ではききませんからその中から選ぶとなると(全部を覚えているわけではないのですが)相当に迷うのだろう…

347 「裏返し」

妹の子供がまだ3歳か4歳の頃の話です。その子はテレビのコマーシャルを真似るのが大好きな子で、特に気に入っていたのが『オテテのシワとシワをあわせてシ、ア、ワ、セ』というCMだったのですが、そのCMが始まるとその子もテレビの女の子を真似て同じ…

346 「火災報知機」

高校2年の時の絵画教室は本校舎から少し離れた高台にある建物の2階で、入り口から入ってすぐの右側の壁に『火災報知機』がありました。その教室に出入りする度にその少し壁から盛り上がった直径25センチ程の真っ赤な円形の中心にある直径4センチ程の透…

345 「影」

ワンの散歩は夜の9時頃から始まるのですが、散歩コースの途中にある小さな公園で長めのリードをフリーにして適当に走らせるのが毎日の日課になっています。10メートルのリードの端っこを持って公園の中央に立てば公園のほとんどをカバー出来るので、ワン…

344 「カドニカ」

小学6年生の頃ですから今から40年以上も昔の事になるのですが、サンヨーの『カドニカライト』という懐中電灯を宝物のようにしていたのを覚えています。当時の懐中電灯は単一電池を2個入れて使う円筒形のスタイルが普通だったのですが、カドニカは従来の…

343 「爪切り」

午後から人に会う用事があり、そろそろ支度を始めようと思った時に足の指の爪が気になります。かれこれ2ヶ月ほど足の指の爪を切っていなかったので結構な長さに成長していたのですが、私は昔から何故か自分の伸びた爪を見るとしばし見とれてしまうという癖…

340 「エレベーター」

知り合いの作家が作品展をするというので挨拶方がた出かけた時のことです。その大きな展覧会場は市街にあり、しばらく訪れない間に専用の駐車場は立派な立体駐車場になっていました。駐車場入り口の発券機で駐車券を受け取り、螺旋状の通路を車で4階まで登…

339 「街の灯り」

初めて飛行機に乗ったのは小学5年生の時でした。父親が何かの用事で大阪の親戚の所に行くついでに私も一緒に連れて行ってくれたのです。初めての飛行機には興奮しまくりで、帰りは夜間飛行でしたので更に興奮したのを覚えています。父親はいかにも乗りなれ…

338 「端っこ」

父親が亡くなってかれこれ20年になりますが、通夜は式場で行ないました。その式場は体育館のようにだだっ広い式場でしたので通夜に訪れる人もなくなる深夜ともなると会場には親兄弟と気心の知れた数人の従弟だけになり式場はますます広く感じるのですが、…

337 「復活」

家庭環境というのは人それぞれですが、幸せの形というのも人それぞれに違うようです。Xさんは病弱な母親とお酒と賭け事に明け暮れる暴力的な父親という絵に描いたような厳しい環境で育つのですが、ある時お酒に酔った父親がバイク事故を起こしてしまいます…

336 「ハイネック」

世間には至る所に『話のかけら』のようなものがあり、それだけでは別に何の意味も持たない他愛のない話なのですが、何かの拍子に別のパーツとピッタリ合わさった時に初めてその本当の意味を理解出来るということがあります。その女性からその話を聞いたのは…