不思議な話(二ーマンのピク詰め)復刻版H

      ー実際に体験した不思議な出来事の記録ですー

095 「森」

 

 ある森の中の風景を描くために7日間、100号(162cmx130cm)のキャンバスと画材を抱えて通ったことがあります。初日は描く場所を決定するまでに森の中をかなり歩き回ったのですが、ある場所で不思議なものに遭遇しました。その物自体は別に何の不思議もない普通に見かけるものなのですが、何故そこにあるのかが不思議だったのです。


雑木林の中を進んでいると時々ちょっとした開けた場所があるのですが、その場所もそういった特に珍しくもない畳3畳分くらいのスペースで、普通に通り抜けようとしたのですが、ふと正面の木立を見上げた時にその場から動けなくなってしまいました。


地上から3メートルくらいの木立の幹に「コーラのビン」がくくりつけてあるのです。


最近あまり見かけなくなりましたが、ビンの途中にくびれのあるあのコーラのビンです。
キャップはありませんでしたが中身は入っているようでした。細い針金でくくりつけてあるのですがその針金は結構新しいもののように思われました。

森-s



 

最初イノシシを捕るための仕掛けかと思いましたが、コーラのビン以外に仕掛けらしい仕掛けはありませんでした。そもそも木にくくられたコーラにどのような効果があるのかも疑問です。他に考えられるのは亡くなられた方の為のお供えですが、それなら木の根元でも良いはずで、わざわざ3メートルの高さにお供えする意味がわかりません。

しばらくそこで考えてみたのですが答えは出ませんでした。絵を描く場所はそこからそれほど離れていないポイントになったので時々カメラを持って覗きに行っていましたが、結局そのコーラのビンの写真を撮ることは出来ませんでした。怖いから撮れなかったのではないのです。何故か撮ってはいけないような気がしたからなのです。

コオロギのアトリエ