不思議な話(二ーマンのピク詰め)復刻版H

      ー実際に体験した不思議な出来事の記録ですー

112 「耳」

20代の頃はよくパチンコに通っていたのですが、あれだけいろんな人が集まる所ですから面白い人や不思議な場面には結構な割合で遭遇するものです。


ある時などは私の隣に視力に障害をお持ち方が座られたので、いったいどのように遊戯をするのか興味を持って見守っていたのですが、その人はすぐに係りの人を呼び、その旨を告げると係りの人は嫌な顔ひとつせずにハンドルの位置を調節して一番良い状態をキープしてくれました。

その人は常に耳をパチンコ台にピッタリくっつけて音を聞いて玉の動きを把握しているようでしたが、その人が上手なのか台が良かったのか、出るわ出るわ、あっという間にドル箱(当時はまだドル箱はありませんでした)状態です。

私も自分のことのように嬉しい気分になっていたのですが、私は見てしまったのです。係員が近付いた時と係員がいないときではパチンコ台にくっつけている耳が違うのです。居るときは右耳で、居なくなると左耳に変わります。そしてその左耳の時にはガラスを隔ててパチンコ玉が2~3個耳の周辺に集まっていたのです。

mimi-s



どうも耳の中に忍ばせた強力な磁石を利用してパチンコ玉を確実に穴まで誘導しているようなのです。私はビックリというよりガッカリしたのですが、当時のパチンコ台は昨今の様なハイテク機能を備えていなかったのでそのような不正も可能だったのでしょう。

コオロギのアトリエ