136 「あくび」
『蟻』が歩き始める時は必ず左の真ん中の足かららしいのです。まだ私は確認していないのですが、あの熊谷守一画伯がそう言うのですからおそらくそうなのでしょう。
実は私にも自慢できる発見があるのですが当時は誰も信じてはくれませんでした。というか、そんなことはどうでも良い事のようです。
小学4年生の頃、家にシェパード系の雑種のワンちゃんがいていつも一緒に遊んでいたのですが、ある日、庭でワンちゃんと日向ぼっこをしているときにワンちゃんに『あくび』がうつったのです。偶然かと思い何度も実験してみたのですが確実にうつっているのです。
その発見を自慢げに親や友達に話すのですが、親からは『そんなバカなことをしている暇があったらもっと勉強しろ』と怒られるし、友達は『それがどうかしたのか』と全く興味を示しません。
そんな反応にガッカリしながらも密かにいろんな動物で試してみたのですが、どうも心の通じ合った信頼の置ける関係にあるもの同士なら人間以外でも『あくび』はうつるようです。
実は今も引き続きある実験を行なっているのですが、それは『あくび』がうつるのなら、ひょっとしたらあくびと同時思考したことは相手に届くのではなかろうかということです。結果が出次第報告させて頂きます。
コオロギのアトリエ