不思議な話(二ーマンのピク詰め)復刻版H

      ー実際に体験した不思議な出来事の記録ですー

165 「ジャンプ」

蚤は自分の身長の50倍のジャンプが出来るそうです。4ミリの蚤なら約20センチのジャンプが出来るわけですから170~180センチの人間に置き換えると85メートル~90メートルのジャンプをしている計算になります。

ところがそんな驚異的なジャンプ力を持った蚤を高さ数センチのマッチ箱の中に一定時間閉じ込めておくと、箱から出しても一生その高さのジャンプしかしなくなるそうです。もしかしたら私も蚤と同じように知らぬ間に制限を作り、勝手にいろんな可能性をあきらめているのかも知れません。


『ジャンプ』と言えば中学1年生の頃、こんなことがありました。その日は何か嬉しいことがあったのでしょう、学校から戻ると部屋の中でひたすらジャンプをしていました。

14~15歳の若者が嬉しさでジャンプするのですから余ほど嬉しいことがあったのだと思います。そんなに嬉しかったことをなぜ覚えていないかというと、こういう事なのです。


しばらくは自分の部屋でジャンプを繰り返していたのですが、部屋の広さと天井の高さが物足りず場所を居間に移してそこで思い切りジャンプしていました。

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家の者の「いい加減にしろ」という忠告も無視して部屋の中を移動しながらジャンプを続け、最後に最高のジャンプで締めくくろうと懇親の力でジャンプした次の瞬間、目の前が真っ白になり宙を漂う感覚が全身を包み、気がついた時には居間の真ん中で布団に寝かされていました。

今思うと何故そんな場所でジャンプしたのか不思議でしょうがないのですが、どうも最後のジャンプの場所が居間と食堂の境にある引き戸の鴨居の真下だったらしく、180センチの高さの鴨居に最大級のジャンプ力で激突したらしいのです。

お陰でその日の記憶は所々が失われており、そういう訳で残念ながら嬉しかったことの内容も思い出せないのです。

コオロギのアトリエ