178 「インコ」
その話をいつ何処で誰に聞いたのかが思い出せないというのがもうひとつあります。その話も鳥の話なのですが、それはこんな話です。
少年が友達の家にお泊りをするのですが、その家では鳥かごに入った黄色いインコが飼われていました。鳥かごは居間に置かれていて夜になると蛍光灯の光を遮断する為に鳥かごは黒い布で覆われます。
少年は夜中にどうしてももう一度インコが見たくなり友達に無理を言って居間の鳥かごの布を取ってもらうのですが天井の蛍光灯の明かりに驚いたインコの首が天井を見上げた状態のまま元に戻らなくなるのです。
インコは目を白黒させながら口を半開きにして首だけが後に反り返って苦しそうにしています。怖くなった友達は家族を起こし、皆でいろんな方法を試すのですがインコの首はどうしても元には戻りませんでした。そこにその家のおじいさんが起きてきてこう言います。
「これは座椅子と同じ原理じゃ、いったん向こう側に倒せば元に戻る」
そう言ってインコの首を更に反り返らせると『グェ』という鳴き声と共にインコの首は元通りになった、という話です。
どなたか心当たりは・・・