不思議な話(二ーマンのピク詰め)復刻版H

      ー実際に体験した不思議な出来事の記録ですー

184 「ななちゃん」

家には4匹のワンがいます。それぞれに個性があって皆かわいいのですが、中でも『ななちゃん』の可愛さは群を抜いており、賢さも他のワンとは別格な感じがします。

それに手(前足)がとても器用で、手首の返しが他のワンとは比べものにならないくらいに柔軟なのです。サッシの扉くらいなら手首の返しだけで開けることが出来るとても賢い『ななちゃん』なのですが何故か『お手』だけは未だに覚えることが出来ません。

それでこのあいだオヤツで気を引きながら『お手』の猛特訓をしたのですが、何度目かの「お手!」と言った時に何を勘違いしたのか『ななちゃん』が手のひらの方を差し出したのです。

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まるで「ちょうだい」をしているみたいで思わずオヤツを肉球の上に乗せそうになりましたが、「はっ」と思った瞬間に手を引っ込めてしまい、その後どんなに試しても二度と手のひらを差し出すことはありませんでした。

誰も信じてはくれませんが、あの時『ななちゃん』は確かに手のひらを差し出したのです。


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