189 「パラサイト」
尊敬する造形作家のRさんは不死身だそうです。何と数千年も行き続けているらしいのです。
彼がそれを確信したのは彼の父親が亡くなられた折に父親の魂がRさんの中に入って来たかららしいのですが、結局RさんはRさんではなくRさんの父親という訳です。
もしかするとその父親も彼の父親に乗り移られていた可能性もありますが、とにかくひとつの魂が数千年にわたり人の体を借りていき続けていると言うのです。
私はそういうことが絶対に無いとは思いませんし、どちらかといえばあっても不思議ではないと思っているのですが、非常に残念なのは過去に生きていた時代のことをRさんはまったく覚えていないという所なのです。
コオロギのアトリエ