254 「ＵＦＯ」

久しぶりに造形作家のＲさんのミラクル発言のお話です。Ｒさんの工房からさほど遠くない所に画家のＹさんのアトリエがあるのですが、ＲさんとＹさんは昔からの知り合いでＲさんはチョクチョク遊びには行っていたようです。

そのＹさんが最近アトリエの一部を立派なギャラリーに改造していろんな作家の作品を紹介出来るようになってからは結構頻繁に顔を出すようになりました。それはそのＹさんのアトリエの駐車場で起こります。

Ｒさんの運転する高級ハイブリット車が大き過ぎたのか、駐車場が狭かったのか、それともＲさんの運転技術に問題があったのかはわかりませんがアトリエを後にしようと駐車場を出たＲさんの運転する車の前輪が６０センチ程の段差のある溝に落ちてしまいます。

 

その場にいたのはＲさんの他には３人のか弱い女性ばかりでしたので溝に落ちた車を持ち上げることなど到底不可能なことでした。どうしたものかとしばらく悩んだ挙句、ついにＲさんのミラクルなお言葉が炸裂します。

「こうなったらもうＵＦＯを呼ぶしかないね」

それを聞いた女性陣は全員、天を仰いで両手を空に差し伸べたそうです。そうです、Ｒさんは『ＪＡＦ』を『ＵＦＯ』と言い間違えたのでした。

コオロギのアトリエ