280 「盗み聞き」
自宅の2階の2部屋は嫁が進学塾として占領しています。普通の民家ですのでどうかすると1階の居間にいても2階での生徒さんとのやり取りが聞こえてくることがあります。
この間も生徒さんと去年の生徒さんの話で盛り上がっているのがたまたま聞こえてきました。聞くつもりはなかったのですがついつい聞いてしまったのはその話の展開が昭和の古臭いお笑いネタのようで面白かったからです。
その内容は塾を途中で止めた生徒の名前が思い出せず、それを必死で思い出そうとしているというものでした。
嫁「…ほら、バスケが上手で、弟もバスケット部で活躍している…」
生徒「誰だっけ?」
嫁「ほら、鉛筆持つときに小指が少し外側に広がる癖のあった…」
生徒「小指が?」
嫁「消しゴムを使うときだけ小指が内側になる…」
生徒「先生、そんな細かい所は覚えているくせに何故名前は覚えられないの?」
嫁「本当だねぇ、痛いところを突くねぇ…あっ、板井さんだわ!」
生徒「おぉぉ!」