不思議な話(二ーマンのピク詰め)復刻版H

      ー実際に体験した不思議な出来事の記録ですー

284 [6人」

妹の言うことですのであまりあてにはならないのですが、『6人』という所に不思議なリアリティーがあったので紹介させていただきます。

妹の長男夫婦に始めての子供が生まれた頃の話です。妹の自宅からさほど離れていない所に長男の家があるのですが、初めての経験で何かと大変な長男夫婦を心配して妹は週に何度か顔を出していたようです。

駐車場に車を停める為に当時一緒に暮らしていた長男のお嫁さんのおばあちゃんの部屋の前を横切ることになるらしいのですが、その日はおばあちゃんのお友達らしき人達が数人部屋におられたそうです。

                6人-s

ソファーの真ん中におばあちゃん、そのおばあちゃんの両サイドにお年寄りが2人ずつと縁側に2人、合わせて6人のお年寄りがおられたそうです。妹はさほどスピードの出ていない車の中から軽く会釈をしたそうなのですが会釈を返してくれたのはお嫁さんのおばあちゃんだけで、あとの6人のお年寄りは妹の方に顔を向けただけで表情ひとつ変えなかったそうです。

その時妹はその日は何かの寄り合いで何やら深刻な話でもしているのだろうと思ったそうですが、家の中に入り、おばあちゃんに挨拶する為におばあちゃんの部屋に入ると何と部屋にはソファーに座るおばあちゃん1人だけで他には誰もいなかったそうです。おばあちゃんにたずねてもその日は朝から1人も客はなかったそうです。

そのおばあちゃんが亡くなられたのはそれから数ヶ月後のことでした。

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