293 「盗み聞き」
私は人類を地球人、他の天体の知的生命体を星人というククリで見ていますので、地球上での国の違いや肌の色の違いなどでその人を特別な目で見たりはしません。くれぐれもこの話に登場する人達をそのような目で見ているのではないということだけは理解して下さい。
あくまでも人間に備わった不思議な観察能力の話なのです。
あるファミリーレストランで友人と食事中のことです。近くに国際的な大学があるということでそのレストランには外国の若者の出入りが多いのですが、その日も我々の後ろの席にアフリカ人の若者が2人座ります。
彼らは流暢な日本語(実際には地元の方言)で会話するのですが、その会話の内容がとても興味深かったものですから悪いとは思いましたがツイツイ盗み聞きをしてしまいました。
A「どうした?元気がないな」
B「ああ、風邪をひいたみたいだ。少し熱もある」
A「大丈夫か?顔色が悪いぞ…真っ青だ」
『真っ青』の部分で我慢できずに振り向いてしまったのですが、私には2人の青年の肌の色の違いがわかりませんでした。
コオロギのアトリエ