不思議な話(二ーマンのピク詰め)復刻版H

      ー実際に体験した不思議な出来事の記録ですー

312 「砂山」

家には4匹のワンちゃんがいるのですが散歩はそれぞれ別コースです。コースは違うのですがその内の3匹は必ず近くの小さな公園の中を通ることになっています。その公園である日ちょっと不思議な事がありました。

散歩は夜の9時から始まりリ最初のワンがその公園の中を走り回り公園の隅にある砂場に興味を示すのは毎度のことです。2匹目のワンは砂場にはほとんど興味を示しません。3匹目のワンも砂場の横を通る時に少し興味を示す程度ですが、その日は何故か異常なほど砂場に興味を示します。

砂場の中に入ろうとするワンのリードを無理やり引っ張りながらワンの視線の先を見てギョッとしました。砂場の真ん中に何かあるのです。それは『砂山』だったのですが、15分程前にはなかったのです。もしその時に見逃したとしても30分前には絶対にありませんでした。

                                         砂山-s

しかもその砂山は何かの型に入れられて作られたように全く歪がなく、表面はプラスティックのように美しい曲線で造形されていました。その局面の円錐形を何と呼ぶのかは知りませんが底面の直径が80センチ程で高さも80センチ程のトランペットの先端を逆さにしたようなそれは夜中に子供が30分で作り上げるには少々無理があり、大人がいたずらで作ったにしては意味がなさ過ぎます。

朝にはきれいさっぱりなくなっていたのですが、逆にプラスティックか何かの雌型に少し湿った砂を入れて固めればあの美しい砂山は子供にも出来ないこともないと思ってはみましたが、未だにあれが何だったのかわかりません。

コオロギのアトリエ