不思議な話(二ーマンのピク詰め)復刻版H

      ー実際に体験した不思議な出来事の記録ですー

348 「恐い絵」

誰かと話をしている時に今まで見た絵の中で一番恐いと思った絵はどの作品かと聞かれたことがあるのですが、今までに見た絵と言われても1万点や2万点ではききませんからその中から選ぶとなると(全部を覚えているわけではないのですが)相当に迷うのだろうと思ったのですがこれが意外と簡単にある有名な日本画家の描いた赤い絵にたどり着く事ができました。

                   赤い絵-s

その絵は画面全体が落ち着いた深い赤い色で占められていて、中央にポツンとちゃぶ台があり、そのちゃぶ台の上の大きな茶碗につがれたご飯を2~3歳の男の子(?)が正座の状態で一心不乱に食べている(かき込んでいる)場面を横から描いた絵なのですが『食べる』という我々が日常普通に行う当たり前の行為をあれほど恐いと思い知らされた絵はありませんでした。

何というか、人としての原罪と言うか、生き物としてのどうする事も出来ない哀しみと言うか、私にとっては他のどのような恐怖を描いた絵よりもとにかくどうしようもなく恐い絵でした。

コオロギのアトリエ