不思議な話(二ーマンのピク詰め)復刻版H

      ー実際に体験した不思議な出来事の記録ですー

353 「山口」

あのKさんと車で山口県まで行った時の話です。高速の大分自動車道から九州自動車道に乗り、関門橋を渡り中国自動車道に入るのですが、大分を出発してからほとんど助手席で寝っぱなしのKさんが本州に入った途端に元気になります。

なぜかインターチェンジに差し掛かる度に「ここが山口じゃないのかね、ここで降りるのではないのかね」と言うのです。初めは冗談だと思って無視していたのですが、インターが見える度に毎回同じ事を言って騒ぐので何故そんなどうしようもない冗談を繰り返すのかと問います。その理由を聞いてビックリしました。

                 山口-s

「だって標識に『山口』って書いてあるじゃないか…」

インターの『出口』の標識を『山口』と勘違いしていたのです。その間違いを指摘すると『今まで黙っていたけれど、実は僕は乱視なのだよ』と乱視のせいにしようとしたのですが、普通乱視は物がダブって見えるものです。この場合は2つのものが1つに重なって見えているのですから『出』が『山』と見えるのなら『口』は『日』に見えるのではないでしょうか。本当なら『山日』と見えるはずなのです。

Kさんは絶対に自分の間違いを認めない人でしたが、そこがKさんの可愛い所でもありました。

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