241 「バナナ」
実は未だにそうなのですが、小さい頃から何故かバナナの皮の剥き方に異常なこだわりを持っているのです。それは自分でもオカシイと感じてはいるのですが、いざとなるとどうしても意識してしまいます。
一度その辺の所を自分なりに分析してみたことがあるのですが、どうも小学校の低学年の頃に給食に出たバナナの皮の剥き方を友達に笑われたのが原因だと思われるのです。
正確にはバナナの皮を剥いたとき最後に剥いた皮が他のものより面積が大きくなってしまい、そのバランスの悪さを恥ずかしいと感じた私は誰にも気づかれないように最後に剥いた皮を2つに裂くのですが、その一部始終をクラスの一人に見られていたのです。そのときに感じた人としての器の小ささのようなものを他人に気づかれたという恥ずかしさからそのことがトラウマになったようです。
いつの頃からか自分の中でバナナの皮は均等に5回に分けて剥かれなければならないと思い込んでいるのです。つまりバナナの皮はバナナの中身を中心にキレイにバランス良く5つに放射状に剥かれていなければならず、決して失敗は許されないのです。ですから今でも人前でバナナを食べる時はメチャクチャ緊張します。
と言うか、そんなリスクを負ってまで人前でバナナを食べるような無謀なことはしないのです。
コオロギのアトリエ