不思議な話(二ーマンのピク詰め)復刻版H

      ー実際に体験した不思議な出来事の記録ですー

2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

069 「ヒカリモノ」

山奥のアトリエでの事です。そのアトリエは使われなくなった民家をお借りしてアトリエとしていたのですが、それは々山深い場所にあり、周りを山で囲まれた渓谷のようなところにありました。周りにほとんど民家はなく、50メートル隣に一軒と300メートル…

068 「イルカ」

誘致された企業が施設を建設する前の埋立地は絶好の釣りポイントでした。広大な砂漠を20分ほどかけて縦断し、四角い埋立地の海に面した一番角のポイントがお決まりの釣り場でした。外海は大きなテトラポットが山積みになっていて危険なのでもっぱら内海の…

067 「爪切り」

東京時代、高円寺のアパートにバイトで知り合った友人とその友達が遊びに来たときの話です。友人の友達は北海道から東京に遊びに来ていて、友人のところに数日間泊まり込んで東京見物をし、帰郷する前日に私のアパートに遊びに来たのです。夕食がまだという…

066 「ドジョウ」

随分前に「タチウオ」釣りに凝っていた時期があり、秋口になるとほぼ毎日夕方から近くの海に出かけていました。その時期になると釣具屋で生きたドジョウが売られていてそれを餌にタチウオを釣るのです。時期としては9月の頭から精々10月の終わり位までで…

065 「虹」

ある日のこと、由布院の美術館に用事があり、用件が早くに片付いたのでオーナーのUさんと前から約束していた安心院(あじむ)の作家の工房を訪ねることになりました。ところが由布院を出た頃から雨になり、安心院の手前では風も出てきて嵐のようになりまし…

064 「黒髪」

世間がバブルの真っ只中の頃の話です。当時福岡でお世話になっていた造形の会社も例外なくバブルの恩恵に与っていて、5日間のハワイ旅行に連れて行ってくれるというのでありがたくお言葉に甘えました。ワイキキビーチが一望できるステキなホテルの部屋は営…

063 「たぬきばやし」

今ではほとんど死語みたいになっている言葉で「タヌキバヤシ」というのがあります。それは「音」に関する不思議な現象で、夜中にどこからともなく鼓(つづみ)を打つような音が聞こえ、音のするほうへ近づいていっても音の発信源を見つけることが出来ないと…

062 「ガラス」

子供の頃の話です。当時暮らしていた我が家の隣は家一件分の空き地になっていて、裏は小川を挟んですぐ山でしたから近所の子供達が遊ぶのには最適の場所でした。ある時期、男の子の間で「ゴルフ」という遊びが流行ったことがありまして、山から取ってきた木…

061 「犬の絵」

中学生の頃に学年単位である美術の展覧会を観に行ったことがあります。それがどのような美術展だったのかはよく覚えていませんが、数多くの作品が展示してあり、それほど有名ではない作家の作品も沢山あったように思います。その中に一点だけ妙に気になる作…

060 「UFO-3(後)」

5メートル先に浮かぶ小さなUFOの開いた開閉口を見つめながらKさんの衝撃的な次の言葉を待ちました。小さなグレー色の宇宙人とかを期待していたのです。K「蜘蛛だよ」私「……クモ?」その瞬間に現実に引き戻された私は机の下のそれに近づいて20センチ…

059 「UFO-3」

錯覚というのはそれが間違いだとわかっていても視覚的にはそう見えてしまうので困ってしまいます。例のKさんとは同じ寮の2階で生活していたのですが、彼のハギシリがひどいということもあって部屋は4部屋あるうちの一番端どうしでした。(それでも聞こえ…

058 「UFO-2」

そのKさんが元気な頃に二人で福岡の大野城市近辺を散策したときの話です。二人して地理にはまったく疎いので迷子覚悟で適当に車を走らせていると、小高い山の頂上が公園になったような場所に出ました。町が一望できる展望台まで完備された立派な公園でした…

057 「声」

そのKさんも数年前に他界されましたが、彼がまだ若い頃に私にこんな話をしてくれたことがあります。終戦間もない頃、子供だったKさんが近くの川原で見つけた「不発弾」で負傷し、助けを求める為にとりあえず川の土手を登るのですが、目が開けらず何も見え…

056 「変更」

未来はすでに決定されているとばかり思っていたのですが、もしかしたら変更は可能なのかも知れないと思った出来事があります。十数年前にほぼ単身赴任の状態で七年間福岡で仕事をしていた時期があり、月に二回位のペースで週末に大分に帰っていました。三年…

055.5 「必然」

昔から「偶然」とは人の理解が及ばない所で起こるある種の「必然」であろうということはボンヤリと感じてはいたのですが、先日体験した出来事でそれを確信しました。その森でアトリエ造りを始めて半年程になるのですが、その日は朝から脚立に上って森の入口…

055 「キラキラ」

数年前のお盆の話です。市内にあるお寺で墓参りを済ませ、その足で母方の実家に顔を出すのが毎年お盆の恒例となっているのですが、その年は母と私と妹と妹の娘(当時10歳)の4人でお邪魔することになりました。実家には母の兄嫁が一人で暮らしており、母…

054 「ケサランパサラン」

15年ほど前になりますが、当時ゴルフ場でキャディーの仕事をしていた妹が「バンカーの中で『ケサランパサラン』」を捕まえたので一度見てほしい」と言うので、一週間くらいして何かの用事のついでに見に行きました。私が何の期待もしていなかったのは、お…

053 「ナナちゃん」

まだ「ナナちゃん」が子犬の頃の話です。子犬たちの中でも一番好奇心が旺盛な「ナナちゃん」は他のワンちゃん達とは別のスペシャルな散歩コースでした。そのコースの途中にチョッとした草むらというか、藪があります。そのやぶの中に潜り込むのが当時の「ナ…

052 「異形(後)」

「それ」との距離が10メートル位になったところで車を止め、車内から観察することにしたのは怖かったからです。胴体?の部分はバレーボールくらいの球体で全体が白い羽毛のようなもので覆われており、大型の鳥のような足が2本ありました。最初、鶴とかサ…

051 「異形」

見間違いはよくあることです。それは距離的なことであったり、確認する時間が短すぎたり、思い込みや過剰な想像力によってそのように見えてしまったりするのですが、私は昔から納得のいかないものに遭遇したときはそのようなことがないように、出来る限り近…

050 「ショートケーキ」

日常の出来事は時としてこちらの想定した予定を無視して無理やり別の「結果」に至ることがあります。小学校の2年の夏休みのこと、家には私ひとりきりで時間はお昼過ぎだったと思います。近所のおばちゃんが「公民館でショートケーキを配るので入れ物を持っ…

049 「うしろむき」

その峠の道は最近舗装が完了したばかりの正面に別府湾を望みながら長い坂を下るというチョッとお気に入りのドライブコースです。その日も別府に用事があり、午後2時頃にアトリエを出てその素晴らしい景観を満喫しながら長い坂を下っていました。その道路に…

048 「セミ」

不思議なことというのはシンプルであればあるほどその不思議度は増すものです。東京時代に窓拭きのバイトをしていた頃の話です。いつの間にか古株になってしまっていた私は学生のバイト達をまとめるリーダーのようなポジションになっていました。ある夏の日…

047 「ビン(後)」

何かの見間違いではなかろうかと至近距離で一文字一文字確認するのですが、あろうことか、その紙切れには私の名前と当時思いを寄せていた同級生の女子の名前が書かれていたのです。意味がわかりませんでした。そのビンはどう見ても十数年もしくはそれ以上の…

046 「ビン」

高校一年の時に遠足とスケッチ大会をミックスしたような学校の行事があり、学年全員で湯布院の手前にある高原の湖に出かけました。それぞれが適当な場所を見つけスケッチしたりお弁当を食べたりするのですが、その内スケッチにも飽き、気のあったもの同士で…

045 「ムーン」

動物には人には感知できないものを感知する特殊な能力があると聞いたことがあります。家の「ムーン」というワンちゃんも子犬の頃、散歩の途中にどうしても近寄るのを嫌がる場所がありました。その場所には昼間でも近づかないのです。そのポイントは散歩コー…

044 「浮遊」

私が飛行と浮遊に全く逆のプロセスを感じてしまうのは、子どもの頃の体験からそう感じるのだと思います。私は4~5歳の一時期、特定の場所なら浮遊は普通に出来ていました。その特定の場所というのが笑ってしまうのですが、自宅の居間と隣の部屋を仕切る襖…

043 「UFO(後)」

地上に降りたそれは上空にあったときよりも更に大きく感じました。そしてそれが完全に着陸しているのではなく、地上から少し浮いているということを暗闇の中でも確認できたのは、中央の出入り口らしき所から何者かが出てきた時の反動でそれが少し揺れたから…

042 「UFO」

この話は不思議な話しではなく驚いた話です。当時私がまだ釣りに凝っていた頃のこと、これまたどうかしたのではないかと言うくらいの釣り好きの知り合いがおりまして、ある日、「〇〇造船のテトラポットがメチャクチャ釣れる。今夜忍び込もう」と目をキラキ…

041 「通信」

私には子どもの頃から変な癖がありまして、『未来の自分と連絡をとる』という決して人には言えない奇妙な癖なのです。たとえば小学生の頃、授業に飽きると窓の外に今の自分を見ている未来の自分を想像していました。それがなぜか決まって四十代の自分なので…