不思議な話(二ーマンのピク詰め)復刻版H

      ー実際に体験した不思議な出来事の記録ですー

304 「ビー玉」

 

小学生の頃の自慢はビー玉が上手かった事くらいですが、遊び仲間からまきあげたビー玉の数がある程度貯まってくると何故か秘密の場所に穴を掘って隠すというのが自分の中でひとつの楽しみになっていました。

その秘密の場所というのは基本的には我が家の周辺で定期的に場所を変えるという念の入れようだったのですが、ある時100個ほど貯まっていたビー玉が忽然と姿を消すという事件が発生します。犯人は遊び仲間の中の誰かだろうと疑うのですが調査の結果遊び仲間の中に犯人はいませんでした。

結局そのことは謎のまま40数年が経過することになるのですが、何とつい最近その犯人が見つかったのです。それは何かのきっかけで妻が子供の頃の不思議な体験を私に話してくれた時のことです。

妻は3歳年下の私の妹と同級生でよく妹と遊んでいたらしいのですが、私は26歳で彼女と偶然知り合うまでそのことは知りませんでした。その小学生だった妻がたまたま地面を掘り返していたら信じられないくらい大量のビー玉が地中から出てきたといいます。

                                                         ビー玉ーs

興奮した妻は全てのお宝を一人占めにしたらしいのですが「何故あんな所にあんな大量のビー玉が埋まっていたのか今考えても不思議でならないのよ」そう言いながら当時を懐かしむ妻を盗人呼ばわりするどころか、40数年間ものあいだ同じ謎を共有できた事を嬉しく思いました。

ところがひとつだけ腑に落ちないことがあるのです。何度聞いてもビー玉が埋まっていた場所は自分の家の庭だったと言い張るのです。

コオロギのアトリエ