010 「タバコ」
タバコと言えば二十代前半の頃はかなりの確立でタバコを立てていたように思います。と言うのはタバコを取り出そうとしてウッカリ落としてしまったタバコが床の上でフィルターを下にして偶然直立したのをきっかけに何故かタバコを立てる事が出来るようになったのです。
ある日アパートに遊びに来た友人に催促され投げて渡そうとしたタバコが友人まで届かず彼の手前の畳にピタッと立ったのを彼が面白がり何度も繰り返して投げさせられるのですが、これが結構な確立で立ってしまうのです。
ところが不思議とそれを賭け事に利用することは出来ませんでした。バイト仲間と『タバコを一回で立てたら昼飯をおごってもらう』という賭けをして一度も成功したことはありませんでした。
いつの頃からかまったく出来なくなったのですが、やはり年をとるほどに雑念が増えてきたせいなのかなぁ…
コオロギのアトリエ