不思議な話(二ーマンのピク詰め)復刻版H

      ー実際に体験した不思議な出来事の記録ですー

125 「オーパーツ」

その時代に存在するはずのない物やその場所にあってはいけない物のことを『オーパーツ』と言うらしいのですが、今思えばあれがそうだったのかも知れないというのが一つだけあります。

小学校の低学年の頃ですから昭和40年代前半の話なのですが、近所の同じような年頃の友達4,5人で『鬼ごっこ』をして遊んでいたときに、友達の一人がある民家の裏庭で白い『コンパクト』を拾います。

母親が使っている円形のコンパクトとは少し形が違っていて長方形なのが気にはなりましたが、二つ折りになったフタを開いてみるとチャンと鏡がありましたからコンパクトだと判断したのだと思います。

   おーぱーつ-s


ところが何故か鏡が黒いのです。しかも下の部分には数字がビッシリ並んでいて、見たこともない不思議な記号もいくつかありました。子供達にとっては格好の遊び道具を手にしたわけで、早速『鬼ごっこ』は『地球防衛軍ごっこ』に変更です。

そのコンパクトは防衛軍の通信機として活躍することになるのですが、結局はジョイントの部分が壊れたのをきっかけにわざと石をぶつけて粉々に破壊されてしまいます。当時は遊びに夢中でその不思議なコンパクトのことなどはその後まったく話題にはなりませんでしたが、今思うとあれは『携帯電話』だったのではないかと思うのです。

何故そんなことを思い出したのかというと二つ折りの携帯電話が全盛の頃に例のコンパクトとよく似たものを見つけたからなのです。

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