不思議な話(二ーマンのピク詰め)復刻版H

      ー実際に体験した不思議な出来事の記録ですー

132 「銭湯」

東京時代の7年間は銭湯を利用させていただいたのですが、元々お風呂とか温泉が嫌いな所にもってきて、大衆の前で裸になるということにかなり抵抗がありましたので最初の頃は銭湯に行くのが苦痛でしょうがありませんでした。

冬場なら1,2週間お風呂に入らなくても何とかなりますが、さすがに夏場はそうは行きません。その日も憂鬱な気分で銭湯の脱衣所で洋服を脱いでいるとアラブ系の外国人の方が2人入ってきて私より先に洗い場に行くのですが、何と彼らは下着を着けたままだったのです。

私の見間違いかと思いガラスのドア越しに洗い場を覗いてみると確かにパンツをはいたまま体を洗う2人の外国人がいました。それも有りなのだということを知って早速私もパンツのまま彼らの隣で髪を洗うのですが、気がつくと2人の外国人が私を不思議そうな顔で見ているのです。

panntu-s



見ているのは2人だけではありませんでした。周りの人のほとんどが私を見ていました。髪を洗いながら自分が非常にマズイ状況にあることに気づきましたが次の行動をどうしたらよいのかがわかりません。いつもの倍以上の時間をかけて髪を洗いながら何とか導き出した答えは『気づかれない位のスピードでパンツを脱ぐ』ということでした。

パンツを脱ぎ終わり、何事もなかったかのように湯船に浸かりながら周りの様子をそれとなくうかがうのですが、誰も私のことなどは気にしていない様に振舞ってはいましたが、あきらかに意識しているのがわかるのです。恥ずかしさを通り越して何だか哀しかったことを今でも覚えています。

それにしてもあの外国人の方々はいったい何だったのでしょうか、もしかすると宗教上の事情があってそうしていた方々だったのかも知れません。

コオロギのアトリエ