不思議な話(二ーマンのピク詰め)復刻版H

      ー実際に体験した不思議な出来事の記録ですー

224 「札束」

いつも不思議に思うのですが人の価値観というものはそれぞれに異なるのに『お金』に関してはほとんど全員がほぼ同じような価値観を持っているということです。インクで印刷された小さな四角い紙に誰もが夢や希望を抱けるのです。

私がキャンバスにどんなに精魂込めて画を描いても全ての人に同じ価値観を与えるなどというのは絶対に無理ですし、ましてやその画面から夢や希望を感じさせることなど不可能です。どうかすると何も描かれていない新品のキャンバスの方がよっぽど価値を感じたりします。

それはさておき、私は最近までATMを上手く使いこなせませんでした。数年前に妻から現金の振込みを頼まれて生まれて初めてATMの機械を使用するのですが、お金をどこに入れたら良いのかがわからず、とりあえずそれっポイ場所にお札を入れようとしたのですが中々入らずしばし悪戦苦闘していると、どこからともなく現れた銀行の人にこう言われます。

「お客様、恐れ入ります。そこは機械の継ぎ目となっておりまして…」

今ではあの『パカッ』と開くあそこがそうだということは理解したのですが、昨日、4万7千円を引き出す為に機械の指示に従って事を進めたのですが、『パカッ』から出てきたのは何と47枚の千円札でした。

                   satu-s

私もビックリしましたがその札束を見た後ろで待っていた女性が「あっ」と小さく声を出したのを私は聞き逃しませんでした。

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