302 「犬」
生活する場所が違うと習慣も多少違ってくるのは当然のことですが、それが国単位となると価値観や常識まで異なることがあります。
造形の仕事をしているRさんの工房でお手伝いをしていた時の話ですが、その時は私以外にも仕事を手伝ってくれている学生さんが数人いました。全員が海外からの留学生ということで片言の日本語でのコミュニケーションではありましたが結構楽しく仕事は出来ていました。
そんなある日、工房で飼っているワンちゃんが数匹の赤ちゃんを出産します。工房で全部は飼えないということで知り合いに声をかけるのですが中々引き取り手が見つからず、ちょっと困っていました。
アパート暮らしの学生さんには無理だとわかってはいたのですが、東洋系のA君にほとんど冗談で声をかけてみました。
私「A君、一匹持って帰らないか?」
A君「エッ、イイノデスカ?」
私「えっ、ああ…いいよ」
A君「ウレシイデス、ドレニシヨウカナ」
私「別に2匹でもかまわないけど…」
A君「イヤァ、1ピキデイイデス。サスガニ2ヒキハ、タベラレマセン」
コオロギのアトリエ