昔から「偶然」とは人の理解が及ばない所で起こるある種の「必然」であろうということはボンヤリと感じてはいたのですが、先日体験した出来事でそれを確信しました。

その森でアトリエ造りを始めて半年程になるのですが、その日は朝から脚立に上って森の入口にある看板の手直しをしていました。しばらくすると一台の車が森に入って行くのですが、助手席の男性が必要に私を見るのです。知り合いかと思い私も見返すのですが心当たりはありませんでした。

ところが一端通り過ぎた車はわざわざバックで戻ってきて助手席の窓から身を乗り出した男性が脚立の上の私にこう言います。

男性「…ブログを書いておられるコオロギさんじゃないですか?」

私「…あっ、はい、いかにも私がコオロギですが…」

男性「僕、イチローです。ブログ書いているイチローです」

7、8秒脳内がジタバタしましたが、その男性は私がいつも楽しく読ませて頂いている素敵なブログの作者本人だと理解しました。

必然s


彼も私のブログを読んでくれているようなのですがブログの中では一切私生活の情報は書いていないし、私自身の画像も載せてはいないはずなのですが、なぜか彼は私をブログの作者だとわかったのです。それより何よりその彼がなぜここにいるのかがまったく理解出来ませんでした。

実は彼は大阪から講演のために大分に来ていて、大阪に戻る前に大分の友人と一緒に大分の観光の最中で、目的地に行く為の高速道路をわざわざ途中で降りて、わざと遠回りのコースを選び、たまたまその森にたどり着いたのでした。

それにしても顔も知らない数回のコメントのやり取りしかしていないブログの上だけの知り合い同士が、まさかこんな森の中でこんな形で出会うとは驚きでした。

その時はお互いに偶然の出会いに感動しっぱなしでしたが、後で考えると様々な偶然が幾つも折り重なってそこに至ったことがわかりました。偶然にも程があるほどの偶然というのは、やはり何らかの必然なのだと改めて感じた次第です。


コオロギのアトリエ